社長が選ぶ今年の社長

  • 調査期間
  • 2009/11/20~2009/12/01
  • 調査対象
  • 従業員数10人以上の企業経営者 697人
  • 調査方法
  • インターネット調査

調査結果の概要

学校法人産業能率大学は、従業員数が10人以上の企業経営者(経営トップ)を対象に、2009年に最も優れていたと思う社長が誰かを聞き、『社長が選ぶ 今年の社長』としてまとめました。あわせて、今年を象徴すると思う『ビジネスキーワード』や、来年(2010年)の活動に注目している会社を聞いております。まず、『社長が選ぶ 今年の社長』の1位は、(昨年に続いて)ファーストリテイリングの「柳井 正氏」。2位のトヨタ自動車「豊田章男氏」に200票以上の差をつける圧勝でした。不況下においても業績を伸ばしている実績を評価する声が多く、ユニクロブランドの確立や積極的な海外展開を理由に挙げる経営者も目立ちます。次に、来年(2010年)の注目の会社を、自由記述で1社のみ回答してもらいました。最も回答が多かったのは「トヨタ自動車」でした。今後の日本経済を占う意味でも、不況下における動向に注目しているのではないかと推察されます。「トヨタ自動車」に続く2位は「日本航空」13.9%。再建の途上にあって注目を集めていることが背景にあるかもしれませんが、むしろ交通インフラに大きくかかわる問題であり、自社の事業活動への影響を懸念しているのかもしれません。3位には、『今年の社長』でトップだった柳井正氏が会長兼社長を務める「ファーストリテイリング」が入っています。『社長が選ぶ 今年のビジネスキーワード』は、「政権交代」が1位。今後の経済成長に大きく影響する、あるいは経済のみならず社会全体のシステムが根底から変わる、といった理由が多く挙げられていました。2位以降でも「エコカー」、「1000円高速」、「エコポイント」と政策に関係するものが比較的多く票を集めており、経営者として景気刺激策に敏感だった様子を窺うことができます。

調査結果

社長が選ぶ今年(2009年)の社長ベスト10 (単位:票)
1柳井 正(ファーストリテイリング)256
2豊田 彰男(トヨタ自動車)42
3原田 泳幸(日本マクドナルドホールディングス)32
孫 正義(ソフトバンク)
5大坪 文雄(パナソニック)14
6渡邉 美樹(ワタミ)12
7大東 隆行(王将フードサービス)10
8伊東 孝紳(本田技研工業)9
鈴木 修(スズキ)
10カルロス ゴーン(日産自動車)6
  ※敬称略  
主な理由
1位 柳井 正氏
グローバル展開を実現し、先を読み常に顧客志向で経営をしている」(保険業・51歳・静岡)
目標を高く設定し、世界に羽ばたき、ぶれない経営目標を持っている(卸売・小売業・66歳・愛知)
海外生産でコストダウンを図っただけでなく、ユニクロというブランドを浸透させて不況下で利益を出した。こういう努力が大きく反映されたことが賞賛に値する(商社・35歳・大阪)
2位 豊田 彰男氏
F1撤退など彼しか決断できないことをきちんとした(電気通信業・41歳・東京)
就任したばかりだが、既成にとらわれず、“らしさ”を出している(卸売・小売業・62歳・兵庫)
プリウスに見られるように、省エネに関して、先見性を持って対応していることが、結果としてビジネスの拡大につながっている(建設業・54歳・栃木)
3位 原田 泳幸氏
0円コーヒー等の斬新な集客を狙った企画で利益を上げている(建設業・52歳・東京)
年間を通して話題が耳に入った。戦略はもちろん、独り勝ちの印象(サービス業・31歳・茨城)
自身の顧客基盤の特性を踏まえた打ち手の実行がすばらしい(サービス業・54歳・東京)
同3位 孫 正義氏
市場を完全に破壊し、携帯電話事業を次の次元へ導いた(卸売・小売業・35歳・東京)
CMで消費者にどんどんアピールしている(サービス業・40歳・大阪)
商品戦略を不況の中でもよく考えている(運輸・運送業・37歳・三重)
社長に聞いた来年(2010年)注目する会社 (単位:票)
1トヨタ自動車136
2日本航空97
3ファーストリテイング(ユニクロの回答含む)67
4パナソニック19
日本マクドナルドホールディングス
6日産自動車16
ソニー
8楽天14
9本田技研工業12
ソフトバンク
シャープ
社長が選ぶ今年(2009年)のビジネスキーワード
1位 政権交代
国内の閉塞感・経済状況・国際社会における日本の地位など、すべてが『政権交代』に連なるものだから(サービス業・39歳・東京)
中小企業に影響が出る(サービス業・27歳・大阪)
景気対策が不透明なので仕事の受注が減った(建設業・40歳・千葉)
旧態依然の日本経済は今後緩やかにでも経済や景気の回復、その他の景気拡大に繋がることを期待できる(サービス業・43歳・東京)
良いか悪いかは現在のところ不明だが、エポックメイキングであることには違いない(卸売・小売業・53歳・和歌山)
2位 エコカー
景気の冷え込みとは逆行して販売台数を伸ばしていた。今後主流になることは間違いない(サービス業・31歳・茨城)
需要もあったし今年一番の話題性があった(運送・輸送業・41歳・福島)
エコカー減税等の効果で今年一気にメジャーに躍り出た感がある(製造業・46歳・愛知)
3位 1000円高速
以前はおよそ実現できそうになかったことだから(卸売・小売業・41歳・山梨)
これにより恩恵を受けた会社や地域、廃業寸前まで追いやられている会社等、明暗を分けた(製造業・45歳・埼玉)
4位 エコポイント
5位 新型インフルエンザ(抗菌グッズ)
6位 雇用不安
7位 円高(ドル崩壊)
8位 GM破綻
9位 公共事業見直し
10位 定額給付金
調査実施先:学校法人 産業能率大学