第一生命経済研究所「景気見通しと結婚・出産意欲 この1年間の変化」

  • 調査期間
  • 2009/09/04~2009/09/06
  • 調査対象
  • 全国の25歳~39歳の男女 897人(男性444人、女性453人)
  • 調査方法
  • 質問紙郵送調査法

調査結果の概要

第一生命保険相互会社のシンクタンク、(株)第一生命経済研究所では、全国の25歳から39歳男女を対象に、標記についてのアンケート調査を実施した。1年前に比べて、現在の日本の景気は悪くなったと思うか?尋ねたところ、2009年9月調査では、「そう思う(「全くそう思う」+「そう思う」、以下同じ)」が76.7%で、多くの人が景気は悪くなったと感じている。2008年調査と比較すると、景気が悪くなったと思う人の割合は変わっていない。これから数年間、日本の景気は、現在と比べて悪くなると思うか?尋ねた結果、2008年9月時点では「そう思う」人が72.1%だったが、2009年9月には47.1%へと大幅に減少している。雇用者を対象に今後数年間の自分の収入の見通しを尋ねると、「減る(「かなり減る」+「やや減る」)」と回答した人は27.5%と、昨年(21.7%)よりも約6pt増加している。1年前と比べて消費を減らしているものを見ると、全体的には、節約傾向が強まっており、「外食費」については、2008年9月には61.8%でしたが、2009年9月には63.0%へと微増。「趣味・娯楽のための費用」「衣料費」「交際のための費用」は、いずれも2008年調査よりも節約している割合が高まっている。未婚者に結婚意欲を尋ねた。2008年9月調査では結婚を「したい(「したい」+「なるべくしたい」)」と回答した割合は53.0%だったが、2009年9月調査ではその割合が59.4%へと約5pt増加しており、未婚者の結婚意欲が高まったと言える。一方、経済的に結婚することが難しくなる不安は高まっており、2009年9月調査では、未婚者の3人に2人が経済的に結婚することが難しくなる「不安がある」66.4%と回答している。子どもが1人いる既婚者の出産意欲の変化を見ると、「もう1人子どもを欲しい(「欲しい」+「どちらかといえば欲しい」)」と回答した割合は、2008年9月調査では77.9%だったが、2009年9月調査では85.1%へと増加している。子どもが1人いる既婚者に対して、経済的に子育てしにくくなる不安を尋ねると、2009年9月調査では、「不安を感じる」が55.6%、「どちらかといえば不安を感じる」が35.4%。次に、わが国は子育てしやすい社会であるか否かを尋ねると、「そう思う(「そう思う」+「どちらかといえばそう思う」)」と回答した割合は、2009年9月調査で17.7%と2割に満たず、大半の人は、わが国が子育てしやすい社会であるとは思っておらず、しかも、昨年調査と比較すると、わが国が子育てしやすい社会ではないと考える人が増えている。また、今後「子育てしやすい社会」になっていくか否かを尋ねてみると、「そう思う(「そう思う」+「どちらかといえばそう思う」)」と回答した割合は、2008年9月調査の20.8%から、2009年9月調査の30.3%へと増加している。すなわち、わが国は今後「子育てしやすい社会」になっていくと考える人が増加した。

調査結果

現在および今後の景気見通し(全体)
<1年前に比べて、現在の日本の景気は悪くなった> (単位:%)
<これから数年間、日本の景気は、現在と比べて悪くなる> (単位:%)
今後数年間の自分の収入(雇用者が対象) (単位:%)
1年前と比べて消費を減らしているもの(複数回答) (単位:%)
2008年9月2009年9月
外食費61.863.0
趣味・娯楽のための費用40.545.7
衣料費36.645.5
交際のための費用24.830.9
自動車にかける費用(ガソリン代を含む)41.626.9
貯蓄など財産づくりのための費用23.524.7
家での食費(外食費は除く)23.824.4
子供の教育費・習い事の費用2.33.3
その他0.80.9
特にない14.014.4
結婚意欲(未婚者が対象) (単位:%)
経済的に結婚することが難しくなる不安(未婚者が対象) (単位:%)
出産意欲(子どもが1人いる既婚者) (単位:%)
経済的に子育てしにくくなる不安(子どもが1人いる既婚者) (単位:%)
わが国は、子育てしやすい社会であるか (単位:%)
わが国は、今後“子育てしやすい社会”になっていくか (単位:%)
  http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news0909.pdf  
調査実施先:(株)第一生命経済研究所