第一生命経済研究所「小学生の親の芸術教育や美術館に対する意識」

  • 調査期間
  • 2006/12
  • 調査対象
  • 全国の小学生の子供を持つ親 612人(男性161人、女性450人、NA 1人)
  • 調査方法
  • 質問紙郵送調査法

調査結果の概要

全国の小学生の子供を持つ親を対象に、標記についてのアンケート調査を実施した。まず、小学校における芸術教育に対する満足度を見ると、音楽や図工における歌や演奏・造形のための指導には73.7%の親が「満足している(「とても満足している」+「まあ満足している」)」と回答しているが、音楽の鑑賞教育には52.8%、美術の鑑賞教育には39.1%と、“鑑賞教育”に対する満足度は低くなっている。この1~2年間に子供と一緒に美術館に行った事がある親は、「2回以上行った」12.3%、「1回位行った」24.0%を合わせて36.3%で、子供と一緒に行く理由を聞くと、「子供を芸術文化に触れさせたい」52.3%や「子供と一緒に楽しみたい」51.8%が半数以上に及んだ。一方、「1回も行かない」と回答した親にその理由を聞くと、「子供と一緒に行きたいと思う美術館がわからない」41.9%が最も多かった。教育普及活動への参加経験を尋ねると、「家族で美術館に行き、参加した事がある」が15.5%で、4人に3人は全く参加した事がなかった。参加形態を問わずに参加経験のある親に、教育普及活動による子供への効果・感想を尋ねると、「子供と一緒に楽しむ事ができた」60.8%との回答が最も多かった。“子供の利用のしやすさ”という観点から、美術館に期待する事は、美術館に足を運ぶ親、運ばない親ともに「気軽に親子で参加でき、楽しめるようなイベントを増やしてほしい」が最も多かった。

調査結果

小学校における芸術教育に対する満足度 (単位:%)
この1~2年間に子供と一緒に美術館に行った人の割合(全体) (単位:%)
子供と一緒に美術館に行く理由(上記設問で「1回以上行った」と回答した人) (単位:%)
子供と一緒に美術館に行かない理由(上記設問で「1回も行かない」と回答した人) (単位:%)
教育普及活動(※)への参加経験(全体) (単位:%)
※最近では、展示作品の鑑賞方法を解説する「ガイドツアー」や創作を体験する「ワークショップ」等、参加者が自ら体験できる「参加型」の教育普及活動(イベント)を行う美術館が増えてきた。
教育普及活動による子供への効果・感想(上記設問で「参加した事がある」と回答した人) (単位:%)
子供が利用しやすくなるために美術館に期待する事 (単位:%)
1回以上行った1回も
行かない
気軽に親子で参加でき、楽しめるようなイベントを増やしてほしい63.160.3
親子連れには、親の料金割引をしてほしい45.031.9
絵画や工作の技術を教えてもらえるようなイベントを増やしてほしい44.141.4
郷土文化に触れたり、体験できるようなイベントを増やしてほしい32.434.3
面白い企画展を増やしてほしい30.628.9
芸術作品の鑑賞方法を教えてもらえるようなイベントを増やしてほしい26.615.7
もっと学校で、美術館に連れて行ってもらいたい23.932.2
自然と触れ合えるようなイベントを増やしてほしい17.122.2
美術館とはどのようなものかを教えてくれるようなイベントを増やしてほしい12.615.7
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/news/news0708.pdf
調査実施先:(株)第一生命経済研究所